① 夢見た少年 ( I Had a Dream)

宇宙的なアプローチが得意のアレンジャー佐藤清喜さんとこの曲のコンセプトが見事にマッチ！
僕が音楽に目覚めていく少年時代を歌ったのは初めてで、この時代は人類初めての月面着陸など宇宙への憧れの時代でもありました。
その影響もあり、この曲は映画「2001年宇宙の旅」やデイヴィッド・ボウイ「スペース・オディティ」へのオマージュも含んでます。
エンディングで聞こえる宇宙からの交信は、この少年へ届く、未来の自分からのメッセージ。

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② スパークするぜ

ここにきて日本でも人気上昇のスパークス（メイル兄弟）のイメージで作り始めたんですが、作ってるうちにスケール感が出てきて、アレンジャー佐藤さんの手腕も加わり、気がつくととてもダイナミックでポップな作品になりました。
杉真理さんの書いてくれた歌詞は、偶然にも宇宙的なサウンドの1曲目「夢見た少年」を引き継ぐかのようにスペーシーな要素がたっぷり。「歌いたい歌 歌いつくして Goodbye 」「愛したい人 愛し尽くして Goodbye 」と人生を全うすることの大切さを語りかけているようなフレーズが印象的。​

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③ ロングロングビーチ

海への憧れを感じさせてくれたビーチ・ボーイズは、ビートルズに劣らずよく聴きました。
夏の海がテーマということや、曲調も含め今までの僕の路線とは違っていて、自分でも新鮮。この曲は久々にMVも作りました。過去のMV「愛しのロージー」（デビュー曲）のパロディなども入っているので、ぜひ映像も見てほしいです。

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​④ 煌めきのアラベスク

ヨーロッパの男女混合グループのヒットソングのようなイメージで書きました。
「誰でもが恋をして、そして世界は回っていく」というテーマですが、職業などの呼び方をメロディに乗せていくのは、楽しい作業でした。
いきなり始まるイントロの男女コーラスは、歌詞には書かれていないのてすが、響きのいい言葉などを組み合わせて、恋のおまじないのつもりで作りました。

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⑤ Night People

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僕のプロデビューはシネマというバンドでしたが、若い頃は音楽だけじゃなく沢山の映画も観ました。特にヌーベルバーグ、ネオリアリズムといったおしゃれだけど不条理さも含んだフランスやイタリアの映画は刺激的でした。そういった映画の描く夜のアンニュイなイメージを曲にしました。
ビート感のあるポップなナンバーを歌う気持ちよさとはまた違い、こういうバラードをどう歌うかという楽しみもあります。

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⑥ BETWEEN

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時代の流れにも乗って、80年代にテクノロジーを実に上手く使って、かっこいい音楽を作ったプロデューサーの一人が、トニー・マンスフィールド。
そして「日本のトニー・マンスフィールド」と噂されているのが、このアルバムのサウンド・プロデューサー、佐藤清喜さんです。
佐藤さんと一緒にまず最初に手がけたのがこの曲で、エレクトロニクスの導入で音楽の世界はさらに広がっていくというようなイメージを曲に盛り込んだつもりです。
歌詞はサエキけんぞうさんですが、この曲を聴いたときに、草原や緑のイメージが浮かんできたと言ってました。

⑦ Color of Love

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​​こういうダンサブルなナンバーもアルバムには欲しいなと思って書いた曲。

イントロは最初インストゥルメンタルだったんですが、コーラスを付けるとより印象的になりました。

前作で「アンダーグラウンド・アイドル」というとても素敵な歌詞を書いてくれた鈴木博文さん（ムーンライダーズ）に、今回も1曲書いてもらいました。「月と煙突」なんて、いかにもムーンライダーズのテイスト。間奏のオルガンソロはポール・ウェラーが率いてたスタイル・カウンシルの雰囲気。

⑧ 風のアリア

クラシックは習ってませんが、クラシック、とくにバロックをロックに取り入れたプロコル・ハルム、ザ・ハード、アフロディテス・チャイルドなどといったアーティストにはなぜか魅かれました。
バロックとエレクトロニクスという、イメージとしては正反対のものを融合させてみたら面白いんじゃないかと思いました。
最初は小作品という感じでスタートしたんですが、佐藤清喜さんと創っているうちに、徐々にスケール感が増してきて、最後はロックオペラ的な展開になりました。

⑨ ビギナーズ

ポスト・パンクの流れから派生したジャンル、ネオ・アコースティックにはアズテック・カメラ、ザ・スミス、プリファブ・スプラウトといった興味深いアーティストがたくさんいました。
この曲はネオアコのキラキラした歌メロやギターのイメージで書いたナンバーです。サビでのボーカルとコーラスの絡み合いがライブではどう響くか楽しみです。
どんな恋でも、何回目かの恋でも、恋する時は、誰でもがビギナーズ。

⑩ 恋ゆえに

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このアルバムの中ではいちばんバンドのスタイルに近いナンバー。
タイトルは10ccの名曲「愛ゆえに」から連想したものですが（笑）、コーラスとの掛け合いや転調なども含め影響を受けてます。
気づいてみると、今回のアルバムは今まで以上にコーラスが随所にいい役割りをしてるようです。
曲調からいえば間奏はギターソロだと思いますが、ここはあえてブラス・セクションにしましたが、こちらのほうがモダンで気に入ってます。

⑪ I Want You Back

去年、鈴木慶一さんとのユニット「鈴木マツヲ」のライブでコーギスの「永遠の想い」をカバーしましたが、コーギスのあの哀愁感のあるポップさをこの曲では盛り込みたいなと思いました。
そして、佐藤清喜さんはまさにそういう音世界を見事に創ってくれました。

あの時、ああしてればと思うことは誰しもあることてすが、そういう心情とエレクトロな響きがうまくマッチしていて、間奏、エンディングも詩情豊かに響きます。

⑫ ジュリア

最後を飾るのはアルバムで1,2位を争うポップなナンバーにしたかったので、この曲を持ってきました。
この曲の大部分はすでに数年前にできていたんですが、空いていたパズルの数片が見つかるように、メロディが浮かんできて、完成しました。

この曲を気に入ってくれたイラストレーター、本秀康さんは自らのレーベル・雷音レコードから７インチのアナログ・シングル「ジュリア」（B面 「I'm a Singer」）をリリースしてくれました。
このジャケットが超ポップで部屋にかざってます。